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「南極料理人」出てきた飯でどれが一番うまそうだったか。

ツタヤさんが100円レンタルをやっていたので、
ぽちぽちとかりてみたりレンタルしてみたりそっと戻してみたりした。

その中でまずは最初の挑戦者は南極料理人。
料理研究家の友人鮎氏とその旦那がオススメしていたのを思い出してのチェイス。
まちがえた、チョイス。チョイスね。

まずはあらすじ

ぎゅっとしたところでぎゅっぎゅっと生活してるぎゅぎゅっとした男達の
胃袋をぎゅっとつかむ料理を常に出し続けるちょっとかっこいいお兄さんの話だぎゅ。

感想的ななにか

まーあれですね、いってしまえばね、
南極ですよ。南極とかいったことないんでよくわからないんですが、
話では「ペンギンもアザラシもいないとこ」だそうです。
あれ違うのか沿岸部にはいて、その基地がある場所には何もいないって話だったかな。
というのも、なんでもその沿岸部から1000キロ離れてかつ標高3800メートルのところに
その基地があるっていうんだからすごいですね。すごい。よくやる。
僕もね、先日富士山登ってきたんですが
そんな富士山でも相当空気が薄くてね、なにするにしてもしんどいんですよ。
ちょっと寝るのもちょっと疲れちゃう。寝るのがしんどいってどういうことって感じですよ。
それで、さらに南極は気温が大体マイナス50度とかそんな話らしい。
北極超やばい、やばいよやばいよ。

そんな超やばい超酷地なところにもっさりした男のみで集団生活ですよ。
いやーまあどうなるか大体目に見えてますが、わかりやすくいうと、
きっと大人版男子寮みたいな感じなんすかね。夜は麻雀、酒飲んでぐだぐた。
いやーあれです、いやーほんと楽しそう、ちょっと混ざりたい。

そんなことはさておき、ご飯です。
ご飯なんですよ、この映画は。
僕もね、大学時代に考古学をやってまして発掘調査で
一ヶ月以上の合宿をやったりとかやってたんですね。
それで、まあ基本は宿舎と古墳(掘ってました)を行き来するわけですよ。
そんでその発掘現場がまーこれまた田舎でね、超ど田舎だったりするわけです。
そもそもコンビニとかないような土地ですし、そもそもそんなに自由な時間が
あるわけでもなかったので、大体は宿舎で過ごすって感じである意味、
その隔離した場所での集団生活という点で似通った経験があったりします。
まー女の子がいたっていうだけでだいぶ南極チームとは違うんだろうけども。
それで、そんな生活やってるといやーまさに飯だけが娯楽になるんですよね。
ご飯が娯楽です。テレビもないし、面子も変わらないし、夜酒飲んだりとかもあるけど、
一番変化があっておもしろいのは飯。発掘中いっつも飯の話ばっかりしてた。
今日なにでるかなー、おっ今日の当番はあいつか!それは結構期待できるな!
てな感じに勝手によくもまあ盛り上がっていたわけです。
うちの教授は鶏嫌いで鶏肉が一切使わなかったんですが、
そういわれると逆に、あーから揚げ食いたいから揚げ食いたいとか気づけば連呼してたりします。

たった一ヶ月そこらでそんなですから、1年以上隔離された空間にいる彼らは
それはもうよっぽどよっぽど、もうよっぽどです。
ある日、伊勢えびがあると聞いたメンバーが

「おい!今日でっかいエビがあるらしいぞ!」

「じゃあ、今日はエビフライだな」

「なになに今日エビあるんだって?じゃあエビフライだな」

「なになに今日エビあるんだって?じゃあエビフライだな」

「なになに今日エビあるんだって?じゃあエビフライだな」

・・・エンドレス

そんなシーンがあるんです。
刺身が絶対いいっていいながらも押されて
でっかいエビフライを料理人がつくるんですが、
結果的にはやっぱ刺身だった、刺身だったと残念そうに食べるんです。
そう、残念そうに。食が娯楽と化しているときの食への残念感は半端ない。

きたろうが超スーパーラーメン好きで夜中にこっそりと
ラーメンを食べまくってたらラーメンが品切れになってしまう事態に陥ってしまった。
そのときの残念っぷりったらありゃしない。そう、非常に残念なんだ。
そのあと、なんだかんだできたろうは復活するんだけどその間ずっと彼はもう
ずーと影のような存在だった。まあ、きたろうなんてもともとそんなもんだろうと
いうかもしれないが、いやそれがもうさらにより、より影が薄くなってしまう。
のが、わかるくらい残念なんだ、そう残念。スーパー残念。ラーメン残念。

また僕の話になりますが、その例の合宿の話です。
僕もね、もうその頃食べることだけが娯楽だっていうのはさっき書いた通りなんですが、
正直、もうそれくらいのレベルだと空腹は最高のスパイスだ!みたいなそんなノリだと思うんです。
多少、甘かろう、しょっぱかろうがなんとかなる。だいたい美味しくなるのが空腹だ。
私、料理下手なのーって女の子がいたらとりあえず男に極限まで腹をすかしていただいて
それから口に入れてもらえればだいたいうまいっていうよ、たぶん。俺ならそう。
それくらい空腹っていうのはスパイス界において圧倒的偉大な存在なんだけど、
しかしある日のお昼ご飯にメインが「にんじんのソテー」だったときは泣いた。心底泣いた。
メインがにんじんのソテーってどういうことだ。いや、しかし、確かにやりそうな奴(男)では
あったんだけど、まさかそうくるとはという感じで、現場へ向かう車内ではもう壮絶な
バッシングの嵐となるくらい残念だった。とても残念だったのだ。

なので、エビフライの残念感もわかるし、みえはる、いやまちがったきたろうの
残念感もすごいわかるんですよね。いやーほんと残念、あーいうの残念。
だからこそ、それを支えるシェフはすんげー大変だし、プレッシャーも
相当半端ないんだと思う。だからこそわざわざ料理人をメンバーに入れてる位なんだろうしね。
まあ、その期待にこたえて、料理人がまー心底うまそうな料理をつくってくわけです。
普通のご飯から、おむすび、豚汁、ラーメン、フレンチなんかもやったり
豪快にローストビーフ的なものをつくったりなんかしたりして見てるだけで腹がへる。
いや、どっちかっていうと下手したら満たされるくらいうまそうなそんな料理を散々つくる。
個人的にベストは中華料理を作るシーンがあるんですが、そのときに
ユーリンチーか、もしくはただの炒め物かわからないんですが
それを作ってるシーンがぐっときましたね。
やっぱりパプリカとか使って色が綺麗だと映えるんだよなあ。
なんかすっごいうまそうだった、あれ。
その辺でただ一つだけ言わせてもらうと
あのラーメンのシーンはずるい。

とまあ、そんな感じのお話です。
って話の内容をまったく書いてないですね。
美味しそうな話しか書いてないですが、なんかちょっと嫌なことあっても、
ちょっとかなしいことあっても、ちょっと嬉しいことなんかっても、
美味しい料理があればそれだけでひとつ成り立つんだなってこと。
どんなに落ち込んでても腹はへるし、やっぱ満たされると満たされるからな。
そんな映画です。ずっとほのぼの。安心して見られます。
なかなかいい映画でしたね。

まーこの話はこの話で本当にとてもほのぼのとしてて
安心して見られたんですがそれに対して僕はずっと、
この人たちオナニーとかどうしてのかなーとかそんないらないことばっかり考えてました。
料理料理いってるけど、オカズとかはどうするんだろうなあと。

星:★★★(3.5かな)

映画基本情報

監督

沖田修一

主な出演者

堺雅人 生瀬勝久 きたろう

上映時間

125分

製作国

日本

公開

2009年8月8日

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